高梨沙羅(23=クラレ)が5位で、3試合ぶりの表彰台を逃した。1回目121・5メートルで5位につけ、2回目はK点(123メートル)越えの130メートルを飛んだが、順位を上げられなかった。エバ・ピンケルニヒ(31)がワールドカップ(W杯)初優勝し、3戦連続でオーストリア勢が制覇。本紙評論家の山田いずみ氏(41=全日本スキー連盟ジャンプ女子コーチ)が、女子ジャンプ界の勢力図、日本勢の現状を解説した。

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高梨のジャンプの内容は良くなってきている。アプローチもしっかり乗れるようになり、テークオフもスムーズになってきた。結果にはつながらなかったけど、今日は2本とも良かった。もう少しテークオフからスムーズに真っすぐ進んでいけるようになれば、もっと良くなる。いい時の高梨に近づいているので、あとは本数を重ねていければ。

今はオーストリア勢はいいですね。ぐいぐい来ている。昨日勝った子(マリタ・クラマー)は男の子みたいに勢いがあるジャンプ。夏から調子が良かったと聞いた。1人が出てくれば、刺激されてチームはいい流れになる。日本勢はちょっと元気がない。今はそれぞれの課題に取り組んでいるのだけど。丸山希(明大)はいいジャンプで、精度が上がってきている気がする。いい風に当たってチャンスがあれば、もうちょっと成績が上がってくる。

女子は今までノーマルヒル(NH)が中心だったが、ラージヒル(LH)の大会が増えている(※)。日本チームはこれまでNHをメーンで練習してきて、LHの練習本数が足りない。今回の札幌大会に向けても(雪不足で)名寄での練習が中心となりLHでの練習ができなかった。海外勢は飛んでいたと思う。その差は大きかった。日本勢はここからだと思う。

次の蔵王大会はNH。切り替えは難しいけど練習もできるはず。国内でたくさん応援に来てくれるので、何かが起こるかもしれない。