バスケットボール女子日本代表合宿は22日、都内で公開され、17年8月のアジア杯以来、約2年半ぶりに招集された大崎佑圭(29)が2大会連続のオリンピック(五輪)出場へ意気込みを語った。

16年リオデジャネイロ五輪ではチームの中心として活躍。17年4月に一般男性と結婚し、18年12月に長女永稀(えま)ちゃんを出産した。

産後2カ月で体を動かし始め、定期的にジムに通うようになったが、その時は東京五輪は頭の中にはなかったという。それでもトレーニングを続けていくうちに「このまま何もせずに(五輪を)見逃していいのか」と考え、昨年9月ごろに復帰を決意。「出て欲しいという気持ちがあったのでは」と家族も喜んで送り出してくれた。妊娠を機に所属していたJX-ENEOSを退団しており、母校の東京成徳大高の練習に参加したり、個人で体育館を予約するなど練習先を探し、トレーニングを重ねた。

ところが、永稀ちゃんの預け先が見つからず、1度は諦めかけた。それでも昨年11月にホーバス監督と食事に行き「預け先とトレーニングコーチがいてくれたら、もう1度頑張ってみたい」と自ら思いを伝えた。一時保育を利用しながら、12月から急ピッチで仕上げ、今合宿で代表候補入りを果たした。

まずは2月の東京五輪予選のメンバー12人に選ばれることが目標。五輪出場資格のある日本だが、世界の強豪がそろう大事な大会となる。ホーバス監督は大崎について「何度も練習を見に行った。トレーニングをきちんとやっていたのでシュートもうまくなったし、上半身はしっかりしている」と評価する一方で「2年間他の選手も頑張ってきた。代表経験もあるが、簡単にはポジションはあげない」と厳しい一面も見せた。もちろん大崎自身も理解しており「みんなお帰りと言って迎えてくれたけど、まだトライアウトの段階。ただいま、とは言えなかった。今回選ばれなかったらどうするかは終わってみないと分からない。いろんなところで綱渡り状態でここまで来た。失敗しても女性アスリートとして何かを伝えられたら」と話した。

現在は夫の実家に永稀ちゃんを預けて合宿に参加している。1歳の愛娘にしばらく会えないが「長くて3週間くらい。合宿に来る前に子どもが歩いたのを見られた。動画とか送ってもらっているので大丈夫です」。不退転の覚悟で臨む先には東京五輪での「ママで金」という目標がはっきりと見えている。【松熊洋介】