体重無差別で争う柔道の全日本選手権(4月29日、千葉ポートアリーナ)東京都予選が15日、東京武道館で行われた。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、無観客で実施されたが、一部の出場選手から戸惑いの声が上がった。

会場入り口には、検温など入場する際の注意事項が記された看板が設置され、厳戒態勢が敷かれていた。アリーナの各出入り口にもスタッフが配置され、不審者がいないかにまで、目を光らせていた。万全のコロナ対策かと思いきや、危機感を募らせた選手もいた。

今大会は、男女約200人が出場。無観客のため2階客席(約1700席)は空席だったが、アリーナの人口密度は高かった。例年と同じで畳で6面が敷かれ、決勝まで“ほぼフル稼働”。選手や付け人、監督ら所属関係者が動き回り、大会運営スタッフや報道陣も合わせると随時約300人はいた。ある男子選手は「声援がないだけで、アリーナの人口密度は例年と変わらないように感じた。柔道は関係者が多すぎる。1人でも感染者が出たら大変なことになる」と指摘。ある女子選手は「柔道は競技の特性上、濃厚接触になる可能性が高い。検温は当然で、畳に上がる選手以外のマスク着用も徹底してほしかった」と、いら立ちを口にしていた。【峯岸佑樹】