全国高校ラグビーの名門・大阪工大高(現常翔学園)の礎を築き、17年に他界した大阪工大の橋爪利明前監督(享年59)をしのぶ記念植樹が20日、大阪・枚方市の同大学ラグビー場で行われた。前日19日は命日だった。橋爪氏は大阪工大高から強豪の明大に進学した先駆けで、元日本代表の元木由記雄氏(現京産大GM)らが続いた。卒業後は大阪工大高のコーチに就き、同級生の野上友一現監督(62)と指導に当たった。

4年前の夏。大阪工大の監督時、土のラグビー場に天然芝を敷くことを発案し選手に苗を植えさせた。枯れないように毎日1人グラウンドに行き、ホースで水をまいた。だが、ようやく芝が定着しラグビーができるようになった17年6月19日、突然この世を去った。

この日、摂南大の河瀬泰治総監督と植樹に参加した野上監督は「名門大学に行った最初で、卒業後は社会人チームを断って高校に戻ってきた。学生の自主性を尊重する監督やった」と振り返った。常翔学園の選手もグラウンドを使用する機会があり、野上監督は「(橋爪氏のように)がんばれば事は成るんやって、選手に伝えてやりたい」。片隅に植えたヒマラヤスギの前でそう語り、今季、第100回大会を迎える花園優勝へ力を得た。【南谷竜則】