自動車のインディカー・シリーズ第7戦、伝統のインディアナポリス500マイル(インディ500)で、佐藤琢磨(43=ホンダ)が3年ぶり2度目の優勝を果たした。

今季初勝利で、2017年の日本人初優勝に続く頂点に立った。

予選3位から臨んだ佐藤は序盤から上位争いをした。レース終盤にはスコット・ディクソンとのトップ争いを展開。残り数周でほかのマシンにクラッシュが発生する中、ディクソンらを振り切り、1位でフィニッシュした。

所属チームの公式ツイッターでレース後、メッセージを寄せた佐藤は「みなさんやりました。勝ちましたよ。もう疲れたけど、本当にみなさんのサポートのおかげです。チームがすばらしい準備をしてくれて、信じられない思いです。ここまで頑張ってきてこんなリザルトになるとは夢に思わなかったけど、たくさんの応援ありがとうございました。勝ったよ2回目」と優勝の喜びを語った。

「インディアナポリス500マイルレース」は、通称「インディ500」で親しまれ、100回以上の歴史を持つアメリカ伝統の自動車レース。F1の「モナコグランプリ」「ル・マン24時間耐久レース」とともに世界3大レースと呼ばれている。インディ500は毎年5月に行われているレースだが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大により、3カ月延期されて開催された。

◆佐藤琢磨(さとう・たくま)1977年(昭52)1月28日、東京都生まれ。自転車で高校総体優勝。01年に英国F3選手権で総合優勝。02年にジョーダン・ホンダでF1デビューし、BARホンダ時代の04年米国GPで日本人最高タイの3位で表彰台に上った。インディカー・シリーズには10年から参戦、13年の第3戦で同シリーズ初優勝。趣味はドライブ、サイクリング、食事。164センチ、59キロ。

 

インディ500

◆正式名称 「インディアナポリス500マイル」。例年5月に行われる米国初夏の風物詩で、今年は新型コロナウイルスの影響で8月に無観客で実施。F1シリーズのモナコ・グランプリ、耐久レースのルマン24時間と並び世界3大レースと称される。

◆世界最速 インディカーの周回平均速度は時速約320キロともいわれ、特に本大会は約350キロにも達するとされ「世界最速の周回レース」とも。

◆腕で競う 基本の車は全チーム共通、勝負は細かな調整とドライバーの腕に負う要素が大きい。

◆レース方式 予選は各ドライバーが4周走行し、その平均速度の上位33人が通過。順位に応じて決勝のスタート位置が決まる。決勝は1周2・5マイル(約4キロ)を200周、走行距離500マイルで競う。

◆美酒ならぬ… 勝者はシャンパンでの祝福の代わりに、牛乳を飲むのが伝統。1936年に勝利を飾ったマイヤーが、バターミルクの一気飲みを披露したことがきっかけとされる。