2度の4大大会優勝を誇る世界ランキング10位の大坂なおみ（22＝日清食品）が、同22位のエリーズ・メルテンス（ベルギー）に6－2、7－6で勝ち、19年10月の中国オープン（北京）以来、ツアー通算8度目の決勝に進んだ。29日（日本時間30日）の決勝では、同59位のビクトリア・アザレンカ（ベラルーシ）と対戦する。対戦成績は大坂の2勝1敗。

大坂は、26日の準々決勝に勝った後、黒人男性銃撃事件への抗議の声明文を自身のSNSに投稿。抗議行動として、準決勝を棄権すると明かした。しかし、女子テニス協会（WTA）や米国テニス協会（USTA）などが協議し、大会も抗議に賛同。27日の全試合を中止したことで、大坂は棄権を撤回し、この日の準決勝をプレーした。

大坂が、その間に起こっていたことなどを、準決勝の後に語った。主な一問一答は次の通り。

－この数日間、いろいろあった。今の気持ちは

大坂　準々決勝の後、（バスケットの）NBAで起こっていることを見た。私も声を上げるべきだと思った。

－それで、最初は準決勝を棄権した

大坂　みんなを勘違いさせてしまったかもしれない。私は棄権するとは言っていない。明日（27日）はプレーしたくないと伝えただけ。それをWTAはサポートしてくれた。

－それでも今日、勝てた

大坂　とにかく慌ただしくて、昨晩はよく寝られなかった。ストレスで、汗をかいて目が覚めた。それに、違ったプレッシャーを自分にかけてしまったかもしれない。

－勇気がいる行動だったか

大坂　勇気よりも、やるべきだと感じた。もちろん、一般的ではないけど、これが今、すべきなことだと感じていた。

－ほかの選手からの反応は

大坂　ちょっと不安になって、携帯を切ってしまった。それに、私たちは隔離をされているので、それほど他の選手と会わない。でも、今日あった人たちは、とてもナイスで、サポートしてくれた。

－（亡くなった）コービー・ブライアントは、何と言ったと思う

大坂　誇りに思ってくれたらうれしい。実は、私は、彼と話せるだけの価値がまだないと感じていた。もっと（彼のように）多くのことをしないとと思っていた。