アウェーの三河が接戦を制し、開幕戦に勝利した。今季から加入したシェーファー・アヴィ幸樹(22)は20分の出場ながら、7得点、6リバウンド、4アシストと勝利に貢献した。「体力はあったので、後半いつも以上に走った。1対1のマッチアップでもうまく対応できた」と手応えを口にした。

リーグ終了後には東京五輪が控える大事なシーズン。昨年W杯では代表12人に選出された。世界トップのプレーを目の当たりにし「コンタクトがもっと強くならないといけない」と差を痛感。コロナ禍での自粛期間中にはウエートを強化し、開幕戦からディフェンスの激しい渋谷相手に全力でぶつかった。

外国籍選手登録人数が増え、チーム内での争いも激しくなる。「外国籍選手のことより、自分は日本人ビックマンとして活躍したい」。W杯では出場わずか2試合。五輪代表入りには今後もアピールが必要だ。

敗れた渋谷のベンドラメ礼生主将(26)も、今季にかける思いは強い。16年に入団後リーグ1年目で新人王を獲得。その後日本代表候補となり、19年W杯予選ではA代表に選出され、自力出場に貢献した。ところが本戦では直前で12人のメンバーから落選。「すごく悔しかった」と挫折を味わった。

昨季から主将としてチームを引っ張る。「楽しみで仕方ない。僕を見てもらえばサンロッカーズの試合は楽しめると思う」と挑んだ開幕戦だったが、開始早々、三河・川村に3本の3点シュートを決められ、課題だった立ち上がりで流れをつかめなかった。「出だしで(川村に)簡単に決められた。相手がどういうプレーが来るのか分からない状態で、自分たちのペースに持っていくのは難しかった」と反省を口にした。

それでも第4クオーター、4点ビハインドの場面で5人一気に交代し、一時は同点に追い付いた。コートに入ったベンドラメも、それまで貢献できてなかった悔しさをぶつけるため、ギアを上げ、アシストを決めるなど、見せ場を作った。

昨年は明暗が分かれたが、今はともに代表当落線上の2人。チームの優勝だけでなく、五輪出場をかけたもう1つの厳しい戦いも、お互いに負けるわけにはいかない。【松熊洋介】