関西大学ラグビー5連覇と初の大学日本一を目指す天理大のフランカー松岡大和主将(4年)が13日、地域住民へ恩返しを誓った。

奈良・天理警察署の一日署長をCTBシオサイア・フィフィタ、SO松永拓朗(ともに4年)と務め、特殊詐欺被害防止啓発活動として金融機関などを訪問。制服を着用し、警察署出発時に号令も担当した松岡は「詐欺防止に向けて、天理警察署と共に、天理市民の方々に貢献したい」と力強く意気込んだ。

8月には寮内で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生。チーム活動は約1カ月間行えず、心ない言葉を見聞きすることもあった。一方、地域住民や子どもたちからは激励の声、メッセージなどが寄せられたという。松岡はその思いに感謝し「サポートしてくださった方々に恩返しをしたい。必ず日本一を勝ち取りたい」。松永も「市民の方に迷惑をかけた。今回このような機会をいただいて、地域に貢献できるいい機会になった」と力を込めた。

天理警察署管内では今年1~9月で特殊詐欺の被害が10件発生。被害額は約5000万円で、19年の同期間と比べて約3800万円増えているという。キャッシュカードや暗証番号を巧みに入手する手口が見られ、署長のあいさつでは「危機的状況」という言葉も用いられた。署の担当者は「ぜひ日本一になっていただいて、たくさんの方に(啓発)ポスターも見ていただきたい」。地域とのつながりを再確認した天理大は、11月7日開幕の関西リーグへ進んでいく。【松本航】