東大が逆転勝ちで開幕戦を飾った。台風で1週間延びたが、雨中戦となった仕切り直しの開幕戦。東大はFGで先制後、中大にTDパスを奪われて逆転された。一進一退となったが、第4QにQBボストロムが逆転となる2ヤードのTDランを挙げる。中大の反撃を許さずに、10-7で開幕を飾った。

東大はなかなかチャンスを作れない中、後半2度目の攻撃でようやくドライブした。ラン、パスのバランスよく攻め込むと、ボストロムの足にかけた。20ヤードを皮切りに5連続ボールキャリー。最後は第4ダウン1ヤード、ゴールまで2ヤードをねじ込んでの逆転TDランとなった。

東大はあっさりと逆転はされたが、追加点は許さずに3-7で食い下がった。森ヘッドコーチ(HC)は「多少のビハインドは、心理的に中大の方がストレスになる。初めての試合で選手がよく頑張った。まさにワンチャンスを生かしてくれた」とほめた。

ボストロムは4年目で初めての先発だった。「緊張もあったが、びびっても仕方ない」と開き直った。最初の攻撃でも2回のランでダウン更新し、先制FGに結びつけた。17回で75ヤードとこの試合で最長のランを稼いだ。

188センチ、96キロ。森HCは「素材はいいのになかなか育てられなかった。この1カ月で急に伸びた。才能はまだある」と期待する。浜松北高ではやり投げで県3位となり、自己最長は55メートルという。パスは12回中6回成功で55ヤード止まり。本人は「パスは投げ方が違うので。ボクは雑魚QB。みんなで勝った試合」と笑みも控えめだった。

東大はスポーツ推薦もなく、選手の大半は未経験だ。さらに今季の部活動再開は一番遅かった。森HCは「常にハンディは大きい。日本一を目指すなら、言い訳にするなと言ってきた。中大が1枚も2枚も上。条件の悪い雨はラッキーだった」とも話した。

昨季はTOP8に初昇格も、優勝した早大などに接戦の連続だった。白星は1つに終わったが、その経験が自信になっているようだ。昨季は10-27で完敗した中大に雪辱し、2年目は好スタートとなった。