バレーボール女子日本代表主将でトヨタ車体のミドルブロッカー、荒木絵里香(36)が今季のVリーグ初戦に臨む。

新型コロナウイルスの影響で来夏の東京オリンピック(五輪)が延期となり一時は引退も考えたというが、家族の後押しを受け現役続行を決断。開幕前に「バレーが思い切りできる幸せを感じてます」と語った36歳は、五輪前の最後のシーズンをどんな活躍を見せるか-。

開幕前のオンライン会見で荒木は「コロナ禍で経験したことのない日々を過ごしました。今こそスポーツ、バレーボールの力が試されている」と力強く語った。チームは創設以来初となる悲願のリーグ制覇を目標に掲げる。高いパフォーマンスを維持したまま、来夏の東京五輪へつなげるつもりだ。

集大成の場と位置付けていた東京五輪が1年延期。12年ロンドン五輪で銅メダルを獲得した際に一緒にプレーし、現代表でも欠かせない存在だった新鍋が引退するなど、コロナ禍で現役生活に区切りをつけた選手もいる。

36歳のベテランも「(五輪延期は)衝撃は大きかった」。大会前に引退もよぎったかと問われた際には、「ゼロではなかった」と本音を口にした。

21年夏へ向けて気持ちを切り替えることができたのは、夫や母の存在があったから。夫は常々「覚悟を決めて」、母は「自分の思うようにやってもいいんじゃない」と背中を押してくれた。6歳の長女もいる。競技に打ち込む上で、全力でサポートしてくれる家族の存在に感謝を惜しまない。

来夏の五輪に向けて重要な今季のVリーグ。「ママさんアスリート」がまずはチームで結果を残そうと闘志を燃やす。【平山連】