4輪ドリフト大会「FORMULA DRIFT JAPAN(FDJ)」の最終第5戦(12、13日、三重・鈴鹿ツインサーキット=日刊スポーツ新聞社後援)の中止が決まった。新型コロナウイルス感染再拡大に伴う安全対策のため、4日、主催のMSCが発表した。この結果、第4戦までの成績により山下広一(52、JZX100マーク2)が初の年間王者となった。

”チャンプ”の愛称で知られるベテラン山下は10月10、11日、岡山国際サーキットでの第4戦で今季初優勝、悲願のFDJ年間チャンプに向けて総合首位に躍り出た。2年連続5度目の年間王者を目指すアンドリュー・グレイ(42=スコットランド、レクサスRC)が1回戦で敗退し、3位に後退。首位は山下、2位は高橋和己(29、BMW E92)と変わり、王者は最終戦で決まるはずだった。ところが、未知の敵が、その最後の熱い戦いを阻んだ。

すっきりしない幕切れとはなったが、今季の山下は安定感抜群だった。3カ月遅れで開幕した第1戦(8月1、2日、宮城・スポーツランドSUGO)をベスト8で発進すると、第2戦(8月29、30日、滋賀・奥伊吹モーターパーク)はベスト16。第3戦(9月20、21日、福島・エビスサーキット西コース)では2位に躍進した。そして、昨年はマシントラブルで決勝出走を断念した最終戦の舞台・岡山で優勝。「絶対にここは取りにいきたいと思っていたので本当にうれしい」と言葉を弾ませていた。

最終第5戦にも勝って、悲願達成といきたかった。しかし、因縁の岡山で勝ちきった執念が、結果的に初の年間チャンプの座をたぐり寄せた。来年は全戦開催が待たれる。