フィギュアスケート男子で冬季オリンピック(五輪)2連覇の羽生結弦(26=ANA)が24日、今季初戦となる全日本選手権(27日まで長野市ビッグハット)の公式練習に参加した。午後0時45分からの第1グループに登場。4大陸選手権(韓国)のフリーで「SEIMEI」を舞った2月9日以来319日ぶりに、氷に乗り、舞い踊る姿を見せた。

今季は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、グランプリ(GP)シリーズを欠場。約10カ月ぶりの実戦復帰となるが、コーチが不在だったこと以外は、いつもの羽生が帰ってきた。ANAの白ジャージー姿に黒のパンツ、スケート靴。リンクサイドにはプーさんのティッシュ箱だ。時折、はなをかみながら、氷の上を漂っては、指先で滑るコースを空に描いて確認した。

手袋は、甲の部分に「アイリン」が輝く愛用のものだった。幼少時から滑ってきた聖地、アイスリンク仙台のキャラクター「アイリン」。特に今季は新型コロナ禍の影響で国内調整を余儀なくされただけに、今大会も従来通り着用することで、変わらぬ地元への感謝を示した形となった。

「We Love Irene!」と書かれ、今回の色は「黒×ゴールド」だった。例年苦しむ勤続疲労の蓄積がない中、5年ぶり金メダルへの決意を込めたのか。練習後のオンライン取材で羽生は「もちろん表彰台の真ん中に立ちたいという思いは強くあります」と意気込んだ。【木下淳】