2年連続4回目出場の大阪桐蔭が、初優勝した17年以来のベスト8に勝ち上がった。昨年、同じ3回戦で1点差で敗れた津幡(石川)との雪辱マッチ。前半を終えて34-34のクロスゲームの潮目を変えたのは、山本雪鈴(1年)だった。

第3クオーター(Q)残り1分、49-51。山本が右45度から3ポイントシュートを沈めた。逆転。さらにドライブインとフリースローで追加点を挙げた。その後、チームはリードを保ったまま勝利をつかみ取った。

「3年生の勝ちたい気持ちが伝わってきて、この大会3試合目で初めて緊張しました。前半はミスが多かったけど、後半は思い切ってプレーできました。3年生がここで終わってしまわないように、思い切ってプレーしました」。山本は大粒の汗をひたいに浮かべて言った。

1年前は中学3年生。大阪桐蔭への入学が決まっていて、敗戦はテレビで見ていたという。その時から津幡というチームは意識していた。1年生ただ1人のスターターは、第4Q終盤にもスチールから貴重なレイアップを決めるなど、40分フル出場で16点をマークした。

雪の降る大みそかに生まれた。そして、きれいな音色で人を引きつける鈴のような魅力的な人に成長してほしいという願いをこめて「雪鈴(ゆりん)」と名付けられた。ウインターカップは山本にふさわしい舞台。「ベスト4が目標です」と控えめに話した165センチのSF(スモールフォワード)は、先輩と力を合わせて勝ち上がる。