3年生エースが本領発揮だ。4年ぶりに準々決勝に進出した札幌山の手は、17年優勝の大阪桐蔭(大阪)を100-84で下し、2連覇を達成した11年以来9年ぶりの4強に進出した。

センター舘山萌菜(もな=3年)がチーム最多の48得点&15リバウンドでゴール下を制圧。2年前に道予選決勝で敗れ全国を逃した経験を糧に成長した攻守の核が、3度目の頂点に向けてギアを上げてきた。

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強い札幌山の手が帰ってきた。2連覇した11年以来の4強進出。チーム総得点の半分に迫る48得点を挙げた舘山は「最初から自分たちのペースでバスケができた。自分が中で点数を取ることが一番チームの勝利に近づくと思ったので頑張った」。攻撃の核が機能し、17年優勝校を退けた。

試合開始の第1クオーター(Q)から連続13得点。うち6点を挙げた舘山は、その間にリバウンドも3つ記録。ゴール下での存在感を相手に植え付け、1年生主将で司令塔の森岡ほのかを中心に攻守に素早いバスケで相手を翻弄(ほんろう)するチームのリズムを生んだ。序盤で一時逆転を許した第3Qは15得点。苦しい時間帯に舘山が得点を重ね「頼りになった」と森岡ほ。全Qで2桁得点し、最後まで集中力は切れなかった。

苦い経験が成長につながっている。28連覇中だった道予選決勝で札幌東商戦に敗れた一昨年。主力を欠く中で出場したのが当時1年の舘山だった。「3年生に申し訳ない気持ちと、うまくなりたいという思いがそこで強くなった」。177センチの長身と俊敏性に磨きをかけ続けたが、総体8強で迎えた昨年の全国は1回戦負け。そして今年は11月に1年生が主将になった。だからこそ「点数を取ること、ゴール下で体を張るプレーでチームを引っ張っていく」。強く決意を固めた。

昨年総体で敗れた相手に雪辱しての準決勝進出。連覇時の大エース長岡萌映子(27=トヨタ自動車)の活躍を映像で見て、舘山は「大きい相手でもめげずに向かっていく姿をまねしたい」と理想像を抱く。27日の準決勝は優勝3度、準優勝4度の名門・東京成徳大高が相手。「自分たちが(勝ち)上がるんだという強い気持ちを持っていきたい」。エンジンがかかったエースが9年ぶりの頂点へ導く。【浅水友輝】

○…全国高校ラグビー3大会連続出場の南北海道覇者、札幌山の手は28日の1回戦で鹿児島実(鹿児島)と戦う。この日は東大阪市内で旭川龍谷と合同練習。佐藤幹夫監督(59)は「選手たちは元気で順調。相手のイメージもつかんでいる」と準備は万全。選手たちは準決勝に進んだ女子バスケットボール部の快進撃を携帯電話でチェックしているようで「刺激になるね」と話していた。