新潟県代表の新潟工(17大会連続45度目)が2大会ぶりの初戦突破を果たした。関商工(岐阜)に26-24で逆転勝ちした。

7-10の後半1分、右ラインアウトから作ったモールを押し込み、プロップ仲村太智(3年)が逆転トライ。その後も、モールで押し切る伝統のスタイルでトライを追加し逃げ切った。北信越代表で初出場の開志国際は、5-57で大分東明(大分)に敗れた。新潟工は30日の2回戦で中部大春日丘(愛知第1)と対戦する。

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黒と紫紺のジャージーの一団が固まりになってインゴールになだれ込む。後半の立ち上がりだった。新潟工は右サイドからのマイボールのラインアウトをキープ。すぐにモールを形成すると相手に対処する間を与えず、一気に押し切り最後は仲村がトライ。SO大久保柾(3年)のゴールも決まって14-10と逆転した。

仲村は「こだわってきたことができて良かった」と笑顔を見せた。重量FWを軸に挑む力勝負が伝統のスタイル。その形で決めた1本で自信を持った。続く後半12分、16分のトライもモールで押し込んだもの。「敵陣に入れば、ああいう形がつくれると思っていた」。樋口猛監督(48)も納得できる内容だった。

前半、7点を先制されたが大久保のトライとゴールで追いついた。だが、前半終了間際にPGを決められ、リードを許した。前半は外に展開する形が多く、FW戦に持ち込む局面はほとんどなかった。「自分たちの強みと相手の弱み、自分たちの弱みと相手の強みが微妙にかみ合う。難しい試合」(樋口監督)。その中で、本来の武器を前面に出したことが功を奏した。NO8稲村心主将(3年)は「組んで押す、固まる。常に意識してきた」と胸を張る。

花園出場が決まった後は県の社会人クラブチーム、新潟アイビスと毎週日曜日に練習試合を重ねた。新型コロナウイルスの影響で例年より実戦経験が少なかった部分をカバーできた。「FWで上回ることができたのもアイビスさんのおかげ」。樋口監督は地域の支えに感謝した。

2回戦は中部大春日丘と対戦。4大会ぶりの3回戦進出に向け、稲村主将は「今日の試合を確認して改善点を次に生かしたい」と気を引き締めた。