まさに衰え知らずの力で見せつけた。12年ロンドン五輪5000メートル、1万メートル代表で、34歳の佐藤悠基(SGホールディングス)が14人抜きの激走をした。エースが集う4区(22・4キロ)で、タイムも1時間4分0秒の区間賞だった。

タスキを受けたのは20位。前に見せる背中をどんどん追い抜いていった。3000メートル中学新、1万メートル高校新、箱根駅伝3年連続区間新、日本選手権4連覇、12年ロンドン五輪出場など打ち立てた金字塔は数知れない。幾多の怪物伝説を持つトップランナー。ベテランの域に入るが、まだまだトップレベルであることを証明した。チームを6位まで押し上げて、タスキリレーした。前年にジャカルタ・アジア大会金メダルの井上大仁(27=三菱重工)が樹立した区間記録にも、あと3秒差という見事な走りだった。

佐藤は「前の選手が見えていた。1つでも順位を上げようと思った。結果的にはチーム目標である入賞ラインに入れてよかった。終始、自分のいいリズムで走れた」と話した。昨年11月に既に駅伝から撤退した日清食品グループからSGホールディングスに移籍していた。

井上と東京五輪マラソン代表中村匠吾(28=富士通)はともに1時間4分14秒で、区間2位タイだった。