全農カーリング日本混合ダブルス(MD)選手権が23日、青森・みちぎんドリームスタジアムで開幕する。北海道選手権3位で出場権を獲得したフルクラムの宿谷奈苗(26)似里浩志(40)は今大会出場21チーム中最大の年の差ペア。結成2季目で全国舞台をつかんだ14歳差ペアが、4人制で実績のある強化委員会推薦ペアなど強豪を撃破しての快進撃を狙う。

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26歳宿谷と40歳似里の挑戦が始まる。今大会最大の年の差ペア「フルクラム」は虎視眈々(たんたん)と強豪撃破をもくろむ。宿谷は「表彰台を狙っていきたい。ここ数年は既存(MDを主体)でやっているチームが推薦チームになかなか勝てない。やっているほうは悔しい。とにかくそこに割って入る」と話せば、似里も「(地区)予選から上がってきたチームで一角を崩したい」と気合十分だ。

結成は19年。チームIWAIとして4人制の18年日本選手権を制した経験豊富な似里が宿谷に声を掛けた。「面識もあり、MDも熱心に取り組んでいた。彼女と組んだら良いところまでいける」。互いに組んでいたペアが解散したタイミングで、宿谷も同意。「似里さんは経験値が違う。試合運びや気持ちの浮き沈みがすごく少なくて頼りになります」と信頼を置く。

年齢層が幅広い競技とはいえ14歳差。世代間ギャップは…。「意外といったら失礼ですけど似里さんは若い感じなのでそんなに感じない。あと私の中身が古いのかな」とザ・ドリフターズ好きの宿谷は笑う。コロナ対策にも追われる旭川市保健所に勤務しながら妹背牛のリンクに通う似里も「もっと離れているペアも見たことあるので14歳差は気にならない」と元気だ。

道選手権では最初と最後を投げる宿谷の速いショットが決まらず苦戦も、本来は「私の安定した速いショットと似里さんのスイープが武器」(宿谷)。札幌市在住の宿谷と似里は互いの生活圏が違うため、個人練習を重ね日本MDに向けて精度を高めてきた。

23日のBブロック初戦で前回3位の吉田知(ロコ・ソラーレ)、清水(コンサドーレ)ペアと激突する。似里の「強化推薦チームに勝てたら良い」の言葉に呼応するように、宿谷は「最初に強いチームと当たれるのは良い」。息ピッタリな年の差ペアが台風の目になる。【浅水友輝】

○…宿谷は弟涼太郎(25=TM軽井沢)とのきょうだい対決も熱望する。3位になった16年日本MDではペアを組んだが「当時はすごくピリピリしていた。互いに始めて2、3年でよくケンカしていると言われてたので」と苦笑い。きょうだいそろって大学で始めた競技に熱中。決勝トーナメントに進出すれば対決の可能性もあり「両親も含めてそれを一番楽しみにしている」と話した。