東京五輪代表を懸ける競泳日本選手権が3日、東京アクアティクスセンターで開幕する。2019年世界選手権男子800メートルリレー代表の高橋航太郎(27=自衛隊、静岡市出身)は「ここまで良い練習が出来た。自信を持って臨めると思う」と、確かな手応えを胸に最終選考レースに挑む。

照準を定めるのは、800メートルリレー代表の座だ。今大会は、同種目の選考を兼ねる200メートル自由形に加えて、同100メートルにも出場予定だが、「個人種目は現実的に厳しいところがある。リレーの派遣標準記録(1分47秒08)を切ることが大前提。それしか見ていない」と決意。ターゲットを絞って夢舞台を狙う。

高橋の自己記録(200メートル)は1分48秒05で、派遣標準記録に0秒97差に迫る。先月には長野で約3週間の高地合宿を実施。「46秒台」を意識したスピード、後半の持久力を磨いた。「満足できる合宿になった。そこで築いたペースでどれだけ出来るか」と、本番へのイメージを膨らませる。

1年前。母校の静岡東高の全校生徒から、応援メッセージの寄せ書きが届いた。高橋は「応援を無駄にしない。良い報告ができるように」と言った。東京での五輪開催が決まった大学時代、ただ憧れでしかなかった大舞台が手の届くところにある。その道を切り開く。【前田和哉】

◆高橋航太郎(たかはし・こうたろう)1994年(平6)3月15日、静岡市清水区生まれ。幼稚園年長時、水泳をやっていた父の影響で競技を始める。清水六中-静岡東高-鹿屋体大-自衛隊。昨年12月の日本選手権では男子200メートル自由形2位。185センチ、76キロ。独身。

◆男子800メートルリレーの代表選考 200メートル自由形決勝の上位4人の合計タイムが派遣標準記録の7分08秒31を突破すれば、当該選手を選出。それに該当しない場合、派遣標準記録の1人平均となる1分47秒08を突破した選手が選ばれる。