今季初の日本人対決は持ち越しとなったものの、ラプターズの渡辺雄太(26)が存在感を示した。

ホームでのウィザーズ戦に途中出場し、約17分半のプレーで2得点、3リバウンド。NBAコメンテーターの塚本清彦氏は守備での貢献も高く評価した。ウィザーズの八村塁(23)は右肩の張りの影響で2試合連続欠場となった。

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最大19点差を逆転したラプターズは、途中出場したベンチプレーヤーたちが流れを引き寄せた。新人フリンやベインズとともに、渡辺の貢献度は非常に高かった。

持ち味とする守備では元MVP選手のウエストブルックともマッチアップし、厳しいマークで相手のリズムを崩すことに成功。ビールや八村ら離脱者が相次ぐウィザーズに対して、ラプターズはウエストブルックをどう抑えるかが最重要ポイントで、渡辺はその役目をしっかり果たした。自身がコート上にいるときの得失点差を示す「プラス18」という数値が、この日の活躍ぶりを雄弁に示している。

シュート成功自体はダンク1本にとどまった。それでもポジションが重なるアヌノビーと同時起用された時間帯、速攻などの攻撃が機能したこともあって、プレー時間が延びた。チームにとっても渡辺自身にとっても、今後へ向けて好材料といえる。

残念ながら日本人対決は八村の肩の状態が良くなく再度持ち越しとなったが、今季は5月にもう1試合、両チームの対戦が組まれている。3年ほど前までは日本人がNBAのコートに2人同時に立つなんて夢のような話だった。こうして「次こそ楽しみ」と言えること自体に今はわくわくしている。(NBAコメンテーター)