4年ぶり3度目の優勝を目指す日本の羽生結弦(26=ANA)が、今季の自己ベストとなる107・12点で2位発進した。冒頭の4回転サルコーで出来栄え点(GOE)4・46(5点満点)を稼ぎ、最後は応援席に向けて右目の前で横ピースを決めた。

演技後に行われた報道陣とのオンライン一問一答は以下の通り。

-前日に「演技で何かしらの希望になれれば」と話していた。以前、試合を辞退したこともあったが、演技で何か残すことができる、と思うようになったきっかけはあるのか

羽生 1番、大きかったことは、自分のスポンサーさんであるANAさんのフライト。スウェーデンから日本に帰る時に、ホントに誰も乗っていなくて。空港に行ってもホントに真っ暗で。海外の人からは『ゴーストタウン』と言われているんだよ、というような、ぐらいの空港の状況を見たり。自分自身は、自粛することがすごく大切だと思っていましたし、自分が感染を広げないことと、自分がその感染を広げる、人の移動のきっかけになってはいけないということをすごく感じて、グランプリ(GPシリーズ)は棄権したのですが、今は、もちろんその気持ちも持ちつつ、そういう職の普通のあり方がなくなっている方々、または、こういう状況の中で苦しんでいる方々、こうやって大会を開催してくれたり、運営していただいたり、またはここに来ているテレビの方々、記者の方々含め、本当に大変なことを痛感したので。僕は、そのお仕事という場に、僕が身を寄せることによって、何かしらの、うん、力になれるんじゃないかという風に思いました。そして、空港で案内してくださった、お世話してくださったANAの方が『おめでとうとは言えなかった』とは言ってたんですけど、『本当に勇気をもらいました』と。『僕の演技で力がもらえました』と、そういう言葉をいただけたので。もちろん、まだ複雑な気持ちはありますけど、両方とも持った上で、出てもいいのかなと思って、今回は(出場を)決意しました。【木下淳】

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