19年W杯日本代表の神戸製鋼FB山中亮平(32)が、8強入りに貢献した。

7-0の前半14分、貴重なトライを挙げて主導権を獲得。前半は17-10と苦しんだが、チームは計8トライで次戦に駒を進めた。

「負けたら終わりのトーナメント。前半、少し相手のペースになるところがあったけれど、後半修正できて、自分たちのラグビーが出せたところもあった。良かったかなと思います」

この日、別会場ではヤマハ発動機が敗れ、早大や日本代表の先輩にあたるFB五郎丸歩(35)の現役最終戦となった。早大入学時、最上級生にいたのが五郎丸。山中は当時の五郎丸の気配りに感謝の思いを持つ。

「『自分の好きなようにプレーしていい』と言われたのは、1年生の自分として気が楽になりました。『ミスをしても自分たちがカバーする。思い切ってプレーしろ』と言ってもらった。のびのびとプレーできた。すごく感謝しています」

15年W杯イングランド大会は直前で日本代表から落選。19年日本大会で初出場を飾り、21年度の日本代表候補にも名を連ねた。五郎丸と同じFBで世界と戦う、山中の思いは一貫している。

「神戸の役割をしっかりやり切ることに、フォーカスしている。『日本代表に入るために』というより『チームのために』役割をしっかりする。しっかりといいゲームをすれば、日本代表に入れる。そういうところにこだわっていきたい」

一発勝負のトーナメント。準々決勝は5月9日、静岡・エコパスタジアムでクボタと対戦する。見つめるのは、目先の戦いだ。【松本航】