ワイルドカード1位でPO進出の仙台89ERSは、PG渡辺翔太の劇的なブザービーターで準決勝進出に王手をかけた。

試合残り3・2秒に逆転される窮地に左60度から起死回生の3点シュートを決め再逆転。77-75と西地区優勝の西宮ストークスに競り勝った。新型コロナの影響で試合が無観客になる中、本拠地ゼビオアリーナ仙台に近い仙台PIT(仙台市太白区)で行われたパブリック・ビューイングでは約70人のブースターが熱い声援を送り、勝利に酔いしれた。

「仙台の牛若丸」こと渡辺が若武者ぶりを発揮した。誰もが敗戦を覚悟した中での逆転弾。渡辺は「序盤は乗れない部分があったけれど、シュートが入らなくても積極的にいった。みんな気持ちが折れずにファイトできた」とヒーローインタビューに答えた。

第3Q(クオーター)途中まで最大14点リード。守備力を発揮し、有効に反則も使い、相手の速攻を封じた。だが第4Q中盤以降、両チームともに個人5反則で2選手ずつが退場となる総力戦に突入。桶谷大HC(ヘッドコーチ)は「僕のいったことをエクスキュート(遂行)してくれた。最後はよく3点シュートを決めてくれた」と全員をたたえた。今季レギュラーシーズン2連敗の相手に雪辱し、リーグ通算でも4勝3敗と白星を先行させた。2戦先勝方式のPOで4シーズンぶりのB1復帰まであと3勝に迫った。まずは準決勝進出。渡辺は「明日勝てば次に進める。おいしいものを食べてしっかり準備したい」と心身を整え、今日8日の第2戦に臨む。【佐々木雄高】