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今日のイベント

【大会】

フィンランディア杯

▼会場

フィンランド・エスポー

▼種目

ペア・ショートプログラム(SP=日本時間午後8時45分開始)

男子SP(同午後11時20分開始)


【大会】

ジュニアグランプリ(GP)シリーズ第7戦(最終戦)

▼会場

オーストリア・リンツ

▼種目

アイスダンス・リズムダンス(RD=日本時間午後9時開始)

男子SP(同深夜0時開始)

※時間は全て予定


今日の誕生日

ジェーン・トービル(1957年)

英国の女子アイスダンス選手。クリストファー・ディーンとのカップルで84年サラエボ五輪(オリンピック)金メダル。81~84年世界選手権4連覇。アマチュア引退後、プロ解禁を受けて94年リレハンメル五輪に出場することが実現し、銅メダルを獲得した

マキシム・トランコフ(1983年)→20年Pick Up!(最終項にリンクあり)

沢田亜紀(1988年)→Pick Up!

佐藤伊吹(2000年)

女子シングル選手。4年連続で全日本選手権に出場中


Pick Up! 沢田亜紀

00年代に活躍した女子シングル選手のバースデーです。

5歳で競技を始め、浜田美栄コーチに師事。01年の全日本ノービス選手権Aで優勝し、04年にはジュニアながら全日本選手権で4位入賞。05年にはジュニアグランプリ(GP)ファイナルで金妍児(韓国)に次ぐ2位と健闘しました。

同年、全日本ジュニア選手権で優勝。幼少時から世代のトップを走ってきました。シニア転向後は07年の4大陸選手権で4位などの成績を残し、関大4年まで競技を続けました。引退後は後進の指導など幅広く活躍しています。


今日の1枚

日刊スポーツが蓄積してきた写真の中から厳選して紹介します。

2021年7月9日
2021年7月9日

21年7月9日、「ドリーム・オン・アイス2021」で演技をする吉田陽菜(代表取材)。


プレーバック

東京選手権(1990年)

■伊藤みどり社会人1年目のシーズン開幕に本紙記者が密着

いよいよウインタースポーツも本格シーズンイン。幕開けを華やかに飾ったのは“冬の女王”伊藤みどり(21)だ。東京王子サンスクエアスケートリンクで行われた東京選手権で、安定感のある演技を披露した。

今春、プリンスホテルに就職。社会人1年生になって、ジャンプ一辺倒から「優美な舞」へと脱皮中。来年3月の世界選手権(ミュンヘン)で、女王の座奪回を目指し、みどりのホットな冬の闘いが始まる。

気温15度。リンクの中は、外に比べて、10度以上も低い。今季初の試合でのスケーティング1時間前、伊藤は氷上を見つめていた。これから始まる冬の闘いに向け、集中力を高めるかのような厳しい視線だった。

昨季の世界選手権(今年3月)では、銀メダル。苦手の規定が10位と出遅れたことが原因で、トップの座を明け渡してしまった。だが、今季からは規定が廃止され、得意のフリーだけで採点が決まる。伊藤にとっては、有利な展開となった。

今春、入社。社会人として初の試合でもある。“大人”になった一面も見せなければならない。

期待が集まる。しかし、プログラムは9月末に完成したばかり。まだ1週間しかたっていない。完成度を求めるには無理はあるが、そこには必ず新しい試みが織り込まれているはずだ。世界の王座に返り咲くための何かが……。

山田満知子コーチが自信の口調で語る。「ピアノだけの曲でやります。しかも、ピアノの優しさではなく、その強さを表現したい」。ピアノ協奏曲を選んだことが、芸術性の追求でもある。

演技が始まった。スローなスタートから、リズムアップする。まず、トリプルルッツでジャンプを見せたが、右手をついてしまった。すぐに立て直して、スピンに入る。鍵(けん)盤の音と、ジャンプの力強さが調和して見える。

後半に入ると、今度はゆっくり、両手をいっぱいに広げて、柔らかな動作をする。指の先まで神経を行き届かせていることが分かる。これまでのジャンプ一辺倒からは、明らかに違う。優美で華麗な印象が強い。

最後はダブルアクセルで決め、あっという間の2分40秒。外とのあまりの寒暖差で震えていた体も、この間ばかりは寒さを忘れていた。それほど、迫力があった。しかし、本人はフィニッシュを終えると、さかんに首をかしげて戻ってきた。

「フリーだけになって、これからは細部が採点されます。ジャンプだけでは、もうダメです。年齢が増していけば、それだけではなくなるんです」。

21歳。女性として、大人の域に入ってきた。それは、ロイヤルブルーのコスチュームにも、表現されていた。白いフリンジが肩と腰につき、揺れる度にキラキラ光る。

そして、スケートのスピードも、これまでとは違う。スポーツ科学委員会の千葉大学・吉岡伸彦講師は「今回は秒速8メートル(時速28・8キロ)と遅いですね。今まではだいたい秒速10メートル(時速36キロ)と男子の世界トップクラスと同じでした」と話す。ジャンプ、スピードといった技術面以上に、芸術性に重点を置いたことが分かる。

だれもが大人になったみどりを感じ取っていた。山田コーチも「大人になった。自分の意見を押し通す人が、他人のことを考えるようになったんです」と話した。とはいえ、預金通帳を眺めては、毎日喜ぶ? 社会人1年生ならではの一面も。「うちでは、およねバアさんだなんて、ふざけて呼んでいます」と同コーチ。伊藤も「総務課に籍を置いているんですが、スケートを一生懸命やっていればいいって言われてます。(学生だった)去年と同じで、お給料もらっていいのかな」。

この日、中国運動記者クラブから、アジア10人の優秀選手に選ばれ、漆の食器を受け取った。来年3月の世界選手権(ミュンヘン)が目標だが、今年中に国際試合を含め、4試合を行う。今大会が終了と同時に「スケーティング・アメリカ」に出場のため、15日に渡米。再び世界の頂点を目指して発進した。