24年パリ五輪へ向け「重量級再建」を誓う、鈴木ジャパンは厳しい船出となった。

92年バルセロナ五輪男子95キロ超級銀メダル、小川直也氏の長男雄勢(25=パーク24)は初戦の2回戦で、世界ランク13位のオランダ選手と対戦。序盤から相手の担ぎ技を何度も受けて指導を誘発され、2分過ぎに畳際での一本背負いで一本負けを喫した。

同じ100キロ超級で東京五輪代表補欠の佐藤和哉(日本製鉄)も初戦の2回戦で敗退。21年欧州選手権覇者のタソエフ(ロシア)に裏投げで優勢負けを喫した。100キロ級の飯田健太郎(旭化成)も初戦の2回戦で同92位のフランス選手に一本負け。試合時間残り44秒で一瞬の隙を狙われ、足払いで体が宙に舞い、頭から畳に落ちた。

日本代表にとって今大会は東京五輪後、初の国際大会。今月1日に就任した男子代表の鈴木桂治監督の初陣でもあり、各国ともに大半の東京五輪メダリストが不参加の中、100キロ級、100キロ超級のパリ五輪期待の重量級3選手が初戦敗退と厳しい結果になった。 日本勢も東京五輪代表は出場せず、各階級の2、3番手を中心に派遣。男子代表は鈴木監督の考えで選手にチャンスを与え、各階級の競争を促すために海外の国際大会では異例の7階級で計12人を派遣した。重量級再建を目標に掲げる41歳の指揮官は出国前の取材で「ワンチャンスをものにする力を見せてほしい。勝負どころの強さや結果を求める大会だと思っている」と話していた。