柔道男子で五輪2連覇の大野将平(29=旭化成)が、金メダルを手にした東京五輪以来、3カ月ぶりの稽古に励んでいる。

5日、拠点の天理大で乱取りなどを行い、「(五輪後は)人生の夏休みでした。精神的にも休養に努めていた。今後の事を考えていました」と切り出した。

7月31日の団体戦後、練習で道着を着たのは今月1日。「いつまでたってもこのままではやりたくならないかなと。道場にくることから始めて、見えてくるものがあればいい」とした。16年リオデジャネイロ五輪からの5年間は、日本柔道界の看板としての重圧など、苦しいことばかりだった。3連覇が期待される24年パリ五輪へ、「もっと苦しくなる。簡単に目指すとは言えない」と自らの覚悟を見定めているのが現状だ。

「いまはあまり五輪への執着がなくなった気がする」と本音を隠さない。試合も未定。ただ、道着をまとえば、自然に動き、心も前を向く。「耐えられるように、心のスタミナを充電していきたい」と説いた。