日本代表で18年平昌五輪女子銅メダルのロコ・ソラーレが、22年北京五輪出場へ好発進した。初日の第2戦でドイツを7-6で下し、開幕2連勝とした。

難しいアイスコンディションに苦しみながらも適応力を発揮。初戦のイタリア戦に続いて白星を重ねた。男子のコンサドーレは初戦ドイツ戦で白星発進も、第2戦デンマーク戦は敗れた。

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当てる石の角度や強さを念入りに打ち合わせした。藤沢が投じたラストストーンは、狙い通り相手の石に軽く当たると、ハウスの中心へと向かっていった。チームメートと抱き合いながら「最後によく決めた」と声をかけられた。

「なんなんだ、このアイスは」。藤沢はため息交じりに本音を漏らした。なかなかストーンが曲がらなかった午前のイタリア戦後、藤沢はアイスコンディションについて「癖がある」と表現した。夜のドイツ戦では、ストーンがなかなか遠くまで届かない「重い」コンディションへと変化。そうした中でも、我慢強く戦い、勝利をもぎ取った。

吉田夕 接戦になることは分かっていた。アイスもすごく難しくて、我慢の展開だったが、勝ち切れたことが重要。本当に久しぶりにこんな難しいアイスに遭遇した。面白いなって思う。

アダルトグッズを販売する企業のスポンサー広告の問題で、9日の混合ダブルス終了後は、会場の氷をいったん溶かし、アイスの中にあった広告を“上書き”して、再整氷した。通常なら何日もかかるはずの作業を「中1日」の突貫工事で終えた影響も、難しいアイスコンディションに拍車をかけているかもしれない。

コロナ禍で海外遠征ができなかった昨シーズン。チームとして苦手意識のあった国内のアイスで実戦を重ねたことで、さまざまなアイスへの対応力が上がったという。今大会前に藤沢は、「日本のアイスに合わせることができたことで、海外のアイスにも自分たちの技術を柔軟に応用できる技術がついたと感じている」と明かした。五輪最終予選がいざ開幕すると、その言葉を体現するかのように柔軟に戦っている。

先月の欧州選手権3位の難敵ドイツから挙げた白星の価値は大きい。大会の最初のポイントとも言われた一番も制したロコ・ソラーレが、さらに勢いづいていく。