目指すは“クイーン”オブスキーだ。札幌市出身でノルディック・スキー複合女子で活躍する双子の葛西姉妹が28日、海外遠征から帰国し東海大札幌高で「2人卒業式」に出席した。今春から早大に進学する18歳ツインズは、久々に袖を通した制服姿で卒業証書を手に息の合った跳躍で喜びを体現。さらなる飛躍を誓った。複合女子は、早ければ今夏にも26年冬季五輪新種目として採用が決まる見込みだ。

姉優奈は「新たな環境で悩むこともあるかもしれないが、この3年間で得たものを最大限に生かしてオリンピックで金メダルという目標を実現できるように頑張りたい」と話し、妹春香も「コロナ禍で思うような学校生活ができないこともあったが、充実した3年間を過ごすことができた。オリンピックに出て恩返しをしたい」と志は高い。

早大スキー部は、同じく双子でキングオブスキーと称された荻原健司、次晴(ともに52)兄弟を排出している名門。17年W杯札幌大会の時に、荻原兄弟と4人で収まったスナップ写真は宝物だ。「額に入れて実家に大事に飾ってあります。2月の北京五輪複合男子団体銅メダルも、早大スキー部が中心メンバーで感動しました」と声をそろえる。

姉は終盤こそ体調を崩してキャンセルが続いたが、今季W杯で2度表彰台に上がる活躍を見せた。前半は国内調整だった妹も負けじと準ジャンプでシニア大会を2勝。世界ジュニア選手権で僅差2位に入り、W杯終盤2戦では連続2位に入るなどめきめきと地力を強化している。「0秒1でも速くなってシルバーコレクターを返上したい」と妹が話せば、姉も「メンタルを強化して4年後はもちろん、26歳で迎える地元札幌開催の可能性がある8年後も金メダルを目指します」と力強く宣言した。