聖隷クリストファーが男子決勝で浜松湖北を2-0で下し、2年ぶり16度目の優勝を飾った。女子決勝では、富士見が沼津西を2-0で破り、4連覇。11度目の頂点に立った。両校は県大会全5試合で1セットも取られず、実力差を見せつけた。今夏の全国高校総体(男子は香川県、女子は徳島県)出場権を獲得。男女1~3位が、来月の東海総体(愛知県岡崎市)に出場する。

聖隷クリストファーのエース・小野駿太(2年)が、全国切符獲得に貢献した。アタックで18点を挙げ、決定率は72%。バックアタックは5本も決めた。「最初は緊張して硬くなったが、中盤から本来の自分の力が出た。相手を見てスパイクをコースに打ち分けた」。自分のプレーを冷静に分析していた。

同校初の2年生主将。前主将が負傷し、3カ月代理をした後、総体西部地区予選から正式に主将となった。「責任感を持つためにやらせてもらった。先輩も協力してくれて感謝です」。静岡市立清水四中では、他県の強豪校からの誘いを受けたが、断って聖隷に進学。「静岡県で日本一になりたいという思いが強かった。聖隷の自主性に魅力を感じて、入学を決めました」と振り返った。

田川明浩監督(55)は「選手はよく頑張った。小野はまだ成長する。全国総体は、最終日まで試合をしたい」と話し、選手たちに期待した。【山口昌久】

○…聖隷クリストファーは、対戦相手の浜松湖北の選手と一緒に記念撮影をした。聖隷初代監督で、今年1月に死去した中川弦一郎氏(享年74)は、浜松湖北の現監督・中川大氏の父親。聖隷の田川監督は、就任前の4年間、中川弦一郎監督の下でコーチを務めていた。「中川さんに今日の決勝を見てもらいたかった。感謝と恩返しができた。2チームの合同写真は墓前に飾りたい」と感慨深げだった。

■女子の富士見は4連覇

富士見は初めて決勝に進んだ沼津西と対し、終始リードを保つ展開だった。第2セット後半には、5連続得点。U-18日本代表の渡辺実羽香(みうか、2年)は「今年は弱いと言われていたので、悔しかった。優勝できてほっとしました」。個人別総得点で渡辺ら4人が6~9点。渡辺が目立たなかったことについて、甲斐健悟監督(38)は「チームがうまく機能していた証拠」と満足げだった。