トンガにルーツを持ち、国内でプレーする選手を中心に特別編成された「トンガ・サムライフィフティーン」が全力プレーで観衆を魅了した。

7点を追う前半23分、相手陣で19年W杯日本代表プロップ中島イシレリ(32=コベルコ神戸スティーラーズ)の短いパスを受けた、ロックのエセイ・ハアンガナ(23=埼玉パナソニックワイルドナイツ)が反撃のトライ。一時は同点に追い付いた。そこからはリードされる展開が続いたが、後半25分には途中出場でプロップのシオネ・ハラシリ(22=横浜キヤノンイーグルス)が恵まれた体格を生かしてトライ。試合終了間際も相手ゴール前に迫った。

1月にトンガ北部の海底火山で起きた大規模噴火の影響による被災者の救援と、被災地域の復興支援を目的に行われた一戦。試合前、そして試合後も、同国代表が踊ることで知られる「シピタウ」を披露した。

今回はオリジナルバージョン。元日本代表のラトゥ・ウィリアム志南利監督(56)は「最初はみんなで『トンガ代表のシピタウをしよう』という話があったけれど、将来、どこかで(このチームで)トンガ代表と試合をしたい。それで『サムライだけのシピタウを作ろう』となりました。みんな高校、大学と日本で育った選手。日本に感謝しています」と思いを込めた。【松本航】