バスケットボールBリーグ1部レバンガ北海道の折茂武彦社長(52)が18日、引退試合(午後2時5分、札幌・北海きたえーる)に臨む。コロナ禍で3度延期され、引退から2年を経て、ついに実現される花道。間質性肺病変という肺の疾患を患い、苦しい状況の中、自身を奮い立たせたのは、コートでのプレーを熱望するファンと、参加を表明してくれた仲間の存在だった。27シーズン、トップアスリートとして走り続けた“レジェンド”が、恩返しの思いを胸に、最後の晴れ舞台に立つ。【取材・構成=永野高輔】

   ◇   ◇   ◇

ついに、その日が来た。年明け1月からウエートレーニングとランニング、3月からはボールを使った練習も再開。この日に備えてきた。16日には佐古賢一監督(51)、桜井良太(39)、橋本竜馬(34)とともにU-15の練習にまじり、最後の調整を終えた

折茂社長 非常に楽しみでもあるし、こんな機会は、もう絶対にない。最後にこういった形でできることはうれしい。いろんな方々に見てもらい、思いを伝えられる機会ができて、非常に良かった。

引退後に打ち明けた間質性肺病変は、回復しているわけではない。むしろ進んでいる。体にむち打ち立ち上がったのは、最後の姿を見せたかったから

折茂社長 病気の方は、良くなるものではない。少しずつ進行はしている。(心肺機能に)少なからず影響があるのは間違いないのかな。でも、自分が最後に北海道に来て、27年間続けて来られたのは、応援してくれた方々がいてくれたからこそ。そういった人たちに最後、コロナとかもあって(無観客で)自分がプレーする姿をお見せすることができなかった。その中で、自分のけじめとして、こういう機会がいただけたのは非常にうれしい。これが最初で最後。プレーで感謝の気持ちを伝えたい。

27シーズンの現役生活を終え1度はスイッチが切れた。もう1度、火をともしてくれたのは、ともに戦ってきた仲間たちの存在だ

折茂社長 現役生活が長かった分、1度切ったスイッチは自分では押せない状況だった。もう1回やるぞっていうスイッチを押すのが、なかなか難しかった。でも、メンバーがどんどん発表されて、たくさんの人たちが、この試合に出たいと思ってくれていることがモチベーションになった。これだけの人がそろうってのは、バスケット界において衝撃なんじゃないかな。

引退後、落ちた筋肉量を戻し、増えた脂肪をそぎ落とすため、トレーニングと並行して食事制限も続け、体重を3キロ落とし、現役時代キープしてきたベストの77キロに絞り込んだ。できる限りの準備は整えた。

折茂社長 心肺機能はこの数カ月ではなかなか戻せなかったかな。2年も休んでしまったので当然なんでしょうけど、アスリートとして2年間のブランクを取り戻すのは、そんな簡単ではなかった。フィジカルの方はまあ、基本、フィジカル勝負はしないタイプだから。自分の感覚、シュートの感覚は取り戻せた。そこは現役時代とそれほど変わらないかな。僕自身27年間、やってきたことがある。その自分のプレーを最後まで貫き通したいね。

<10時から当日券販売>

折茂社長引退試合は、会場の北海きたえーるの収容100%(約6200席)で開催される。前売りは好調も当日券が若干残っており、同会場で午前10時から販売する(完売と同時に終了)。また、クラブの公式サイトでは折茂社長の略歴や現役時代の雄姿をまとめた動画が複数アップされており、レジェンドの偉業を確認してから観戦すると、より楽しみが増すかもしれない。

◆折茂武彦(おりも・たけひこ)1970年(昭45)5月14日、埼玉県上尾市生まれ。埼玉栄高3年の総体で8強&得点王。日大では主将だった4年のインカレで優勝&MVP。93年トヨタ自動車入りし、日本代表としても活躍。07年レラカムイ北海道に移籍し、11年レバンガ北海道を立ち上げた。19年1月には国内トップリーグで日本人初の通算1万得点を達成。19-20シーズンを最後に引退。背番号9はチームの永久欠番になっている。

◇発売 バスケットボールライブ中継サービス「バスケットLIVE」が折茂社長の引退試合を記念したNFT動画を期間、数量限定で発売する。詳細はクラブ公式サイトへ

◇移籍 玉木祥護(25)がB1中地区の新潟に移籍するとクラブが発表した。