【ニューヨーク29日(日本時間30日)=吉松忠弘】テニスの4大大会今季最終戦、全米オープンがニューヨークで開幕。今大会限りでの引退を示唆している4大大会23度の優勝を誇るセリーナ・ウィリアムズ(40=米国)が、同80位のダンカ・コビニッチ(モンテネグロ)に6-3、6-3のストレート勝ち。1回戦を突破し、歴代最多に並ぶ24度目の優勝での引退に夢をつなげた。

試合後、勝利者へのインタビューで、セリーナは思いを言葉にした。「いつもベストを尽くすだけ。全米のセンターは、常に多くのファンが応援してくれて最高の気分。今日も助けてくれた」。

全米のナイト・セッション(夜の部)は、世界のテニス大会の中で最もゴージャスだ。この日は、きらびやかな舞台がいっそうに輝いた。22年大会夜の部の開幕戦は、最後になるかもしれないセリーナのシングルスを一目見ようと、夜の部歴代最多の2万9402人がセンターコートに押しかけた。

チケットは完売し、多くの著名人が駆け付けた。映画監督のスパイク・リーは、サーブ権を決めるコイン・トスを手伝い、俳優のヒュー・ジャックマン、元大統領のビル・クリントン氏、元世界ヘビー級王者マイク・タイソン氏らが駆け付けた。

試合前にはセリーナを振り返る映像が流れ、「コートの女王」の称号が与えられると、試合前の気分は最高潮。まるでセリーナのショーで、対戦相手のコビニッチは刺し身のつまのように扱われ、さすがに惨めだった。

「大好きなテニスから離れることを決めたのは、本当に生みの苦しみだった」と、セリーナは語る。そして、まだできるとも感じていた。「まだ輝ける、プレーできると感じているときの決断は、大変だった」

しかし、「時は来た。次の人生にステップを切りたい。やりたいことはたくさんある。娘のオリンピアとも一緒にいたい」。試合後、会場を埋め尽くした観衆が、配られた紙で、「WE♡SERENA」の文字を浮かび上がらせると、セリーナは感動で震えた。

次戦は、第2シードで世界2位のアネット・コンタベイト(26=エストニア)が相手だ。両者は初対戦となる。

※■はハート

◆全米オープンテニスは、8月29日から9月12日まで、WOWOWで全日生放送。WOWOWオンデマンドとテニスワールドでも全コートでライブ配信される。