シングルとアイスダンスの二刀流を続けてきた西山真瑚(早大)が、来季以降のアイスダンス専念を明言した。

ジャンプはフリップ-トーループの連続3回転から入り、3回転ループ、ダブルアクセル(2回転半)。19年全日本ジュニア以来のシングルでの演技となったが、アイスダンスで磨かれたエッジワークなどで見せる。得点は74・36点で3位。「正直、こんなに点数を出してもらえるとは。でも、それだけ評価をしてもらえて素直にうれしく思います」と感謝した。

決意を持って臨んだシーズンだった。

「自分は今年でシングルは終わりにしようと思って。僕はやっぱり五輪をアイスダンスで本気で目指したい」。

家庭の事情で金銭面の難しさもあり、拠点にしていたカナダから帰国を余儀なくされた。パートナーの高浪歩未とも解消することに。そんな最中に見た北京五輪、世界選手権でのアイスダンサーたちの演技が心に響いた。

「自分がもっと頑張りたいと思える演技を多くの選手が見せてくれた。知っている選手が。自分もこの舞台に立ちたいと思ったのも、すごく強くあります」。

今季は新パートナーが決まらなかったが、心は決まっている。費用面も考え、来季以降は日本ではなく北米を拠点にする考えも持つ。

カナダの練習場所だったクリケットクラブ出身の先輩、羽生結弦さんがプロに転向した。

「これからも新たな羽生結弦に向けて滑られるということで、僕も新しい西山真瑚になれるように挑戦を続けたい」。

しっかりと前を見つめた。【阿部健吾】