6季ぶりに戻ったB1の舞台で最高のスタートを切った。仙台89ERSが京都ハンナリーズを92-65で下し、記念すべき開幕戦勝利を飾った。16-17年、仙台でB2降格を経験し、17-19年に京都でプレーしたベテラン片岡大晴(36)にとっても感慨深い、特別な勝利となった。

片岡をはじめ、寒竹隼人(36)が、bjリーグ時代の12-14年、昨季、加藤寿一(28)が京都でプレーしていたこともあり、アウェーでも会場の空気は温かかった。片岡は、17-19年の2シーズンで115試合に出場したが「もう1度仙台で」との思いから、19-20年に戦いの場を再び仙台に戻した。悲願のB1昇格を果たし戻ってきた京都に片岡は「『ソルジャー、頑張ってね』と送り出してくれた方々の前にもう1回帰ってくることができて、ナイナーズのユニホームを着て、またこの場所に立つことができた。その姿を届けたい思いがずっとあったし、ひとつ僕の中の目標をかなえることができました」と勝利をかみしめた。

開幕戦は田中成也(31)が左ももの肉離れで離脱。「試合前から、みんなで(田中)成也がいない分をなんとかカバーしようと意識しました」と片岡。第1クオーター(Q)はその意識が奏功し、24-9と圧倒。第2Qに差を詰められたが、後半も強度の高いディフェンスを遂行し、京都の足を止めた。藤田弘輝ヘッドコーチ(HC=36)は「開幕戦を仙台89ERSらしいバスケットをして勝ち切れたのはすごくいい入り。非常にうれしいです」と喜んだ。

ついにシーズンが幕を開けた。藤田HCは「1歩も引く気はない。ひとつになってファイトし続けて『食ってやるぞ』という気持ちで今季を戦いたい」と意欲十分。片岡も「60試合のうちのひとつ。最初勝っても次に負けたらまた振り出しに戻ってしまう。浮足立たずに地に足つけてやっていかないといけない」と気を引き締めた。「B1仙台89ERS」はまだ始まったばかりだ。【濱本神威】