道産子スケーターの兄弟がアマ日本一を目指す。山口翔生(かい、苫小牧ウトナイ中2年)と弟零生(れい、同ウトナイ小4年)が、14日から東京・有明アーバンスポーツパークで3年ぶりに開催される、スケートボードの全日本アマチュア選手権に出場する。

ストリート種目のアマ最高峰の大会で、今回は上位12人に日本協会公認のプロ資格が与えられる。兄の翔生は3度目の挑戦で、念願のプロ資格獲得を目指す。初出場の零生は15位以内を目標に大舞台に挑む。

翔生は9月に札幌で開かれた全日本予選の北海道選手権決勝で、予定していたトリック(技)をすべて成功させ89・33点をマークして優勝。零生も板を縦に1回転、横に半回転させる「フロントサイドフリップ」など高難度のトリックを決め、83・00点で3位に入った。

初めて兄弟そろって全日本に臨む。取るに足りない理由が発端となって毎日のようにけんかをするという兄弟仲だが、スケーターとしては互いをリスペクトし合う間柄だ。兄は弟をよきライバルとして捉えており「身近に競争相手がいて、モチベーションにつながっている」と話す。弟は兄を「先生」と称し、トリックの指南を受けている。兄のアドバイスで大技を1日で習得したこともあり「体の使い方を教えてもらってすぐにできるようになった」と指導に感謝する。

翔生は3年前の忘れ物を取りに行く。2度目の出場だった19年の全日本選手権は10位に終わり、プロ資格が与えられる8位に届かなかった。「今回は確実に12位以内に入りたい。もちろん表彰台も狙う」と気合十分だ。大会会場は21年の東京五輪で使用された。「同じコースを滑るのは楽しみ。将来はチャンスがあれば五輪にも出場してみたい」と目を輝かせた。【石井翔太】

◆スケートボード全日本アマチュア選手権 全国9地区の予選を勝ち抜いた選手が出場する。第1回大会は03年に行われ、20、21年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となり、今年は3年ぶりの開催。手すりや階段を模したコースでトリック(技)の難度や独創性などで競うストリート種目が行われる。予選、準決勝、決勝とそれぞれ1分間の滑走を2度行い、得点の高い方が採用され順位となる。