4大陸選手権銀メダルの村元哉中(29)高橋大輔(36)組(関大KFSC)が今季初戦に臨み、69・67点で5位発進した。

冒頭からテンポの速い曲に勢いよく乗り切り、会場からは大きな声援、手拍子が起きた。ツイズルでは村元がレベル2、最後のリフトでも時間オーバーの減点があったが、大きなミスをすることなく難しいプログラムを通しきった。

実は万全ではなかった。村元が2週間前の練習中に右肩を強打。今大会も練習からテーピングをしていた。「腕が上がらない」状態だという。痛み止めを飲むと感覚がまひするため、この日もテーピングだけで処置していた。影響を感じさせず、結成3季目、手応えある初お披露目になった。

「ベルサーチをイメージしてます」と冗談まじりに話していた高橋の衣装は、インナーが透け透け。ズエワ・コーチの“指令”だそうで、「嫌です。恥ずかしい(笑い)」と照れ笑いしたが、シングルから転向して3季目。上半身の筋肉の隆起が、鍛錬の成果を物語っていた。

高橋が今大会に初出場したのは05年。前日の男子SPで首位発進した三浦佳生はその年に生まれた。9年ぶり5回目の出場はアイスダンサーとしての帰還になった。

フリーダンス(FD)は23日(日本時間24日)に予定されている。新作「オペラ座の怪人」。村元は「初披露になるので、ほんとに自分にプレッシャーをかけずにその時の感情で滑りたいなと思っています」と見据えた。(ノーウッド=阿部健吾)