過去2度の優勝経験があり、ショートプログラム(SP)11位発進だった紀平梨花(20=トヨタ自動車)が、128・19点をマークした。合計188・62点となった。

緊張感のある顔つきで滑り始めた。冒頭のサルコー-トーループの連続3回転ジャンプ。確実に着氷させると、ようやく表情が柔らかくなった。3回転ループではバランスを崩して着氷がやや乱れたものの、その他のジャンプは落ち着いて降りた。しなやかにステップを踏んだ。

堂々と演じ切ると、観衆が立ち上がった。紀平をたたえる拍手が響きわたると、思わず笑顔を浮かべた。

直後の取材エリアでは「昨年は出られなかった中、自分の滑りがこの舞台で出来たことは、本当に幸せなことだと感じます」とかみしめるように言った。

ただ、今の自分に満足しているわけではない。「もっともっと点数や構成を上げて、いつでもミスをしないという自信を持って挑めたらいいなと思う。来年は新たに生まれ変わったかのような自分をお見せできるように頑張りたいです」。晴れやかに笑いながら、この先の復活を見据えた。

昨季は右足首の疲労骨折で競技会を全休。19年から2連覇中だった全日本も欠場した。今季は患部の負担を考慮し、ジャンプを制限しながらグランプリ(GP)シリーズを転戦していた。

坂本花織24番、三原23番、紀平14番目に滑走 全日本/女子フリー速報中>>