男子は一関修紅(岩手)が、昨夏の高校総体でも敗れた開智(和歌山)に1-2で惜敗。セッター石川愛礼(あれい)主将(3年)を軸に多彩な攻撃を展開したが、リベンジを果たすことができなかった。

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目前に迫っていた歴史的瞬間を惜しくも逃した。岩手県勢男子の全国大会最高成績は16強。初の8強入りに向け、選手は第1セット(S)から躍動した。第1Sを大熱戦の末、33-31で先取。第2Sを17-25で落とすも、第3Sは先にマッチポイントを握った。だが、26-28で惜敗。石川は「インターハイもあと1点のところで勝てなかった。今回も『あと1点』に最後の最後で届かなくて…。何かが足りなかったんだと思います」と悔しさをにじませた。

因縁の相手だった。昨夏は0-2のストレート負け。19年の春高では石川の兄嵐斗さん(21、現Vリーグ2部つくば)が1回戦でストレート負けしていた。いろんな思いが交錯し、勝ちを急いだのか「セッターは常に冷静でいないといけない。(最後は)気持ちが高ぶって、トスが乱れてしまった」。攻撃陣を生かしきれなかったと反省した。

高校総体、国体で16強入りし“岩手史上最強”といわれたが歴史を変えることはできなかった。それでも、07年4月から監督を務める高橋昇禎監督(49)は「(僕が就任してからの)16年の中で、一番良いゲームでした」と選手をねぎらった。大学でもバレーを続ける石川は「1点の重みをすごく感じた大会だった。日々の積み重ねがそのままコートに出る。1日1日を大切にしていきたい」と成長を誓った。【濱本神威】

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