ノルディックスキー・ジャンプ男子の栃本翔平(33)と原田侑武(ゆうむ・32=ともに雪印メグミルク)が18日、札幌市大倉山ジャンプ競技場で現役引退会見に出席した。栃本は「子どものころからあこがれだった雪印メグミルクスキー部で競技ができて、現役生活を終えることができて幸せ」と語り、原田は「24年間のジャンプ人生で僕に関わってくれた家族、ファン、長い間応援してくださり、本当にありがとうございました」と感謝の気持ちを口にした。

栃本は10年バンクーバー五輪代表で団体5位。07年世界選手権札幌大会、09年リベレツ大会では2大会連続で団体銅メダルを獲得した。ジャンプ人生での最大目標にW杯個人総合優勝を掲げていた。「ジャンプ界最強を目指していたので、達成することはできなかった」と振り返り、「悔いがないと言ったらウソになるが、ずっとジャンプをやってきて、今後一緒にやってきた方たちと同じスタートラインに立てなくなるのは寂しい」。今後については雪印メグミルクを退社し、詳細については明かさなかったが「ジャンプ界に関わっていきたい」と話した。

原田の選手生活終盤はケガに苦しんだ。20年1月13日HBC杯(大倉山)で144メートルを飛んで着地の際に転倒。右膝前十字靱帯(じんたい)断裂と外側半月板を損傷した。その後両膝計4度の手術を受けてリハビリを乗り越え、23年1月のTVh杯(大倉山)では2位に入って復活を果たした。今後は社業に専念する。「気持ち的には今さっぱりしている」。

ともにこの日の伊藤杯大倉山ナイターが現役ラストジャンプとなる。