八村塁(25)が所属する第7シードのレイカーズが第1シードのナゲッツに111-113で競り負け、4連敗で敗退した。八村は今プレーオフ(PO)で初先発し、41分56秒プレーして10得点、7リバウンドだった。4年目の今季はシーズン途中、ウィザーズから名門レイカーズへと移籍。緊張感あふれる短期決戦のPO全16試合に出場し、攻守において成長を示した。

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負ければシーズンが終わる重要な一戦で、PO16試合目にして初の先発に抜てきされた。レイカーズ八村は攻守で力を尽くした。熱戦の末にチームは敗退したが、激動の4季目、日本人で初めてカンファレンス決勝まで進んだ実績には胸を張っていい。「ここまで来られたことはうれしい。僕としてはいい結果を出せた」とすがすがしく言った。

フル出場した第1クオーター(Q)に、ドリブル突破から右手でダンクを決めた。その後はシュート精度がいまひとつだったが、巧みに反則を誘ってフリースローを沈めるなど前半でこの日の全10得点を稼いだ。

しかし後半は一変。相手の猛反撃を受けた。守備では相手エースのヨキッチをマークしたものの、軽快なプレーに翻弄(ほんろう)される。懸命にシュートを阻もうとしたがファウルにつながり、第3Q中盤には立て続けに得点を許した。チームとともに自身の攻撃も停滞。前半15点もあったリードを逆転され「本当に強い。完璧なチーム」と舌を巻いた。

力負けの終戦も、NBA選手となって4年目の今季は大きく飛躍した。ウィザーズの一員として開幕前に日本凱旋(がいせん)。オープン戦2試合を通じて国内ファンの前で勇姿を披露した。シーズン中の1月には自身初の移籍を経験。名門レイカーズで、キングの称号を持つジェームズらとともに戦い経験を積んだ。

大きな浮き沈みがあったシーズンだったが、短期決戦では貴重な戦力として輝いた。PO1回戦、グリズリーズとの初戦では途中出場ながら29得点と大爆発。ベンチからの25得点以上は96年マジック・ジョンソン以来の伝説的活躍だった。

その後も攻守にわたり存在感を発揮し続け、今オフの去就を注目される存在になった。制限付きフリーエージェントのため先は未定だが「バスケ人生で、このPOはすごく大きかった。レイカーズに残るなら、この悔しさを忘れないで次につなげたい」と誓った。