今季からVリーグ女子1部(V1)に参戦するアランマーレ山形が1日、山形・蔵王坊平アスリートヴィレッジでの強化合宿を報道陣に公開した。悲願のV1昇格に導いた木村友里主将(27)らが“鬼メニュー”に臨み、心技体のパワーアップを図った。昨季の超超攻撃型を経て、今季掲げるのは「3Dコンビバレー」。高度な連係を駆使する攻撃を目指し、実戦形式の練習で汗を流した。合宿は3日まで行われる。

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恒例となった蔵王合宿で、選手は今年も奮闘していた。この日は「アイアンマン」と名付けられた、どんな状況でもスパイクを打てるのは決められた1人だけというメニューを実施。疲労が蓄積する終盤でもラリーを継続。アタッカーは何度もジャンプしスパイクを打った。合宿地は標高約1000メートル。高地で行うボール練習やランニング、ウエートトレーニングはシーズンを戦う上での自信や糧となり、昨季はフルセットまでもつれた5試合を全勝。追い込まれた状況での粘り強さが、結果として現れた。

昨季を超えるバレーボールで日本最高峰の舞台に挑む。V1は身長、ジャンプ力など個の能力が高いが、チームは身長180センチ超えが1人という状況。木村は「前衛とバックアタック、横幅をしっかり使っていく。シンクロしながら全員で攻撃していく精度を上げていきたい」と意気込む。コートを広く使い、複数人がボールに絡み、高さのあるブロッカーを翻弄(ほんろう)する攻撃を目指す。

V1昇格を経験したメンバーが多く残る中、クラブチームの福岡ギラソールから赤星七星(ななせ、28)が新加入。身長175センチを生かした高いトスワークだけでなく、北原勉監督(42)は「V1はセッターでも170センチ台の選手がいたり、ブロックに穴がない。唯一、チームのウイークポイントだったセッターのブロックを補ってくれる」と守備面でも期待する。

本格始動したチームは7月、長野で開催されるサマーリーグに臨む。「アランマーレの代名詞であるチーム力を全面に出す。サマーリーグでどれだけ通用するのかをしっかり試したい」と木村。収穫や課題を得て、技に磨きを加える。【相沢孔志】