日本大(日大)は8日、アメリカンフットボール部の寮で覚醒剤と乾燥大麻を所持した疑いで3年生部員の北畠成文容疑者(21)が逮捕された事件について、都内の本部で林真理子理事長(69)らが会見した。夜は緊急の保護者会が開かれ、部員も100人以上が参加。現役部員の薬物使用は北畠容疑者1人だけと選手や保護者は認識しており、本部に対して9月開幕の関東大学リーグ1部上位「TOP8」出場を切に訴えた。昨年11月に大麻吸引の可能性を自己申告し、厳重注意となった学生は既に卒業していたという新証言も出た。

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報道陣184人が詰めかけ、予定時間を超えた会見の終了から約1時間半後、保護者会も熱を帯びた。親だけでなく100人超の部員もオンラインで参加。うち20人ほどの選手が思いの丈を打ち明けた。午後7時から始まった会は11時を過ぎても続く。出席した幹部選手は「仲間から、同じ寮から逮捕者が出た責任はあります。その中で出場すれば批判される、たたかれることは覚悟の上です。試合に出ることで潔白を証明したい」と力を込めた。

保護者会では、メディア向けの対外会見では触れられなかった事実も明らかにされた。競技スポーツ担当の沢田康広副学長が出席して事情を説明。今回の容疑者が、先月19日に警察署へ出頭していたことが報告された。しかし聴取だけで身柄を返されたといい、逮捕は今月5日。“自首”から17日間の捜査を経ても、警視庁は容疑者1人だけを押さえに来たため、中村敏英監督は「もう他にいないと信じている」と口にしているという。

出席を終えた保護者からは、新たな証言も出た。昨年11月に「大麻のようなものを吸った」と自己申告も、立証が難しく厳重注意処分に終わっていた部員は、今春卒業した部員だったという。保護者会では明言されなかったものの、内々で得た情報とみられる。幹部選手も「うわさはありましたが(昨年の薬物講習会を最後に)もう終わった話だと思っていました」と驚いた。

実際、現役選手に薬物使用者はいないと部内の認識は一致している。一方、沢田副学長は「無実の確証がない」と無期限出場停止の解除を明言せず。保護者の1人は「言葉では『学生ファースト』と言っているが、どう見ても大学の立場に寄っている」と部員たちの複雑な心情をおもんぱかった。

日大側が、関東学生連盟に出場可否を回答する期限は9日の午後11時59分。連帯責任を懸念する親が「どうしたら出られるのか」尋ねたが、明確な返答はなかったという。部員側は100人の署名を集めた出場の嘆願書を、中村監督を通じて本部側に提出。支援者側も、UNIVAS(大学スポーツ協会)の窓口に相談するなど活路を探る。

幹部選手は「同じ部で共犯を疑われるのは当然だと思いますが、出場を辞退すれば『やっぱりか』と思われてしまう。100人以上の部員で頑張ってきたことを発揮する機会を与えていただきたいし、信じるしかない」と神妙に訴えた。保護者も「逮捕されたのは残念だけれど、彼1人。我々は選手にフットボールをさせてあげたいだけなんです」と参戦を願った。【松本航】

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