静岡県U-12バスケットボール選手権(トヨタユナイテッド静岡カップ)の決勝トーナメント(T)が26日、浜松アリーナで開催され、男子ではFMCサンダーキッズ(富士、東部1位)が王座に与えられる全国大会(来年3月)出場権の初奪取を狙っている。自分たちで考えてプレーするバスケを展開し“引き出し”は多い。守っては厳しい守備で譲らず、選手らは「優勝」の2文字しか見ていない。

二卵性の双子である兄で主将の野田朔之介(今泉小6年)を司令塔に、弟の倫之介(同)が守備の要となる。兄はW杯日本代表の河村勇輝(横浜BC)のような「細かいドリブル」を目指し、1つ1つのプレーにこだわる。パス回しでは周りの仲間を動かして相手を翻弄(ほんろう)させるつもりだ。弟は守備だけでなく「角度45度からスピードを生かしたドライブのレイアップシュートでも貢献したい」と力を込めた。

頂点奪取に向け、チームを指導する渡辺靖司ヘッドコーチ(HC、48)から期待される1人は、長身選手の浅田心(北郷小6年)だ。学年最長という174センチの背丈を武器とし、U-12用リングに「ダンクもできる」という得点源。ドリブルでリング下を目指し、「ユーロステップなど技を使って点を取る」と得意技に磨きをかけてきた。1回戦では浜松与進(西部3位)と対する。指揮官は「自分たちのプレーをやり抜くことで優勝をつかみ取ってもらえたら」と決勝Tを見据えた。【倉橋徹也】