首位パナソニックが5季ぶり8度目の優勝へ、レギュラーラウンド(RR)最終戦を盤石のストレート勝ちで締めくくった。ともに順位も確定し、ファイナルステージ(FS)進出を決めている4位JT広島と対戦。両チーム主力を温存する中、層の厚さを示して快勝した。RR32勝4敗の圧倒的な勢いで頂点まで駆け抜ける。

FS最後の1枠は、VC長野を下して6位を確定させた東レがつかんだ。

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RR首位が確定していても、パナソニックは勝負にこだわった。今季最後のホーム戦は満員の2910人の観客が集まった。日本代表の山内は「自信をつけて(FSを)迎えるのは大きい」とうなずいた。

FSを見据えて攻撃の軸の西田を温存し、リベロ山本らの主戦の出場時間も控えたが、層の厚さを誇示した。競り合いとなった第1セット(S)は、23歳垂水の強烈なアタックでジュースに持ち込み、37歳清水がサービスエース。ベテラン、若手が躍動してこのセットを奪い、一気に試合を制した。ティリ・ロラン監督は出場機会が少ない選手らの準備力を評価し「幸せな気分」と笑った。

1月28日にジェイテクトを下してFS進出が確定。今月10日には2試合を残して首位通過を確定させたが、5季ぶりのVへ油断はなかった。この日のJT広島は、24日の準決勝で当たる可能性がある。負ければ終わりの一戦に向け、2連戦を制してプレッシャーをかけた。

ベンチで見守った西田は「1位通過できたことは通過点でしかない」と決意を新た。「自分たちがトップに立つ」と腕をぶした。【竹本穂乃加】

 

○…東レは、RR最終戦でFS最後の1枠を奪取した。勝てば進出決定のVC長野戦は、第1Sこそ硬さが出て落としたが、第2S以降は修正。そこから3セットを連取し、切符をつかんだ。5季ぶりのプレーオフに篠田監督は「去年、一昨年と同じ状況でFSを逃してきたので、1つ成長できたと感じる」とうなずいた。FS初戦はRR3位の名古屋と対戦。「来週からが本当の戦い」と引き締めた。

 

○…東京GBのクラブ史上初のプレーオフ進出は、夢と散った。RR3位の名古屋にフルセット勝ちも、6位の東レが勝利したため無念の敗退。それでも、最後まで執念を見せた。セットカウント0-2と追い込まれながらも、第3S以降は何度も相手のマッチポイントをはね返し、3連取で大逆転。昨季覇者から前日に続く白星でRRを締めくくった。ヴオリネン監督は「次のシーズンに向けて頑張りたい」と前を向いた。