テニスの元世界ランク4位錦織圭(34=ユニクロ)がマイアミ・オープン(3月20日、日本時間20日深夜開幕)で8カ月ぶりのツアー復帰戦に臨む。23年7月のアトランタ・オープンで8強入りした後、左膝の故障のため戦線を離脱していた。4月1日からの「全米クレーコート選手権」にもエントリー。本格復帰の錦織に注目だ。

錦織が、いよいよツアーに戻ってくる。左膝の故障のため、8カ月もの間、痛みと向き合いながら苦しい時を過ごしてきた。2月29日にマイアミ・オープンの主催者が、錦織を主催者推薦枠に選んだことを発表。待ちに待った復帰戦の舞台が整った。初戦の相手は、世界ランキング40位のセバスティアン・オフナー(27=オーストリア)に決まった。

22年1月に左股関節を手術。昨年6月にようやく復帰したが、1カ月ほどで再び戦線離脱し、今に至る。昨年12月中旬のWOWOWの独占インタビューで、この苦しい期間を一言で形容すると「忍耐。ずっと耐えることがテーマでしたよね」と振り返っていた。

昨年10月のジャパンオープン、同11月のチャレンジャー大会での復帰がかなわなかった。日本の大会に出るという目標を持っていただけに「あそこはちょっと自分の中でショックが大きかったです」と話していた。それでも、復帰に向けて前だけを見て進んできた。

完治しそうなタイミングで他の箇所に痛みが生じたり、患部が治りそうで治らない状態が続いた。出場表明した今年1月の全豪オープンも欠場。「気持ちをAIのように、自分は機械だと思い込んでリハビリしたり、トレーニングしたりしていました」という。

再び世界の上位で戦いたいという強い思いを抱く。「また、グランドスラムでプレーしたいのと、(最終的に)トップ10に戻ること。多分1年では戻れないと思うので、まずはしっかりと1年戦えるようになること」。その第1歩をフロリダの地で踏み出す。

◆錦織の故障との闘い

17年8月の全米前哨戦の練習中に右手首尺側手根伸筋腱(けん)を脱臼。19年10月には右肘骨棘(こっきょく)を取り除く手術を受けた。20年8月に新型コロナウイルスに感染し、復帰予定の全米出場を断念。同9月にジェネラリオープン(オーストリア)で約1年ぶりに実戦復帰。21年9月に左股関節唇損傷の痛みが再発。22年1月、患部を手術。同9月に右足首を捻挫。23年6月のATPチャレンジャー大会カリビアン・オープンで優勝。7月のアトランタ・オープンで21年10月以来となるツアー復帰。8強入りも左膝を負傷していた。

◆配信 マイアミ・オープンは、WOWOWオンデマンドでライブ配信される。