レギュラーシーズン1位の東京が同3位の岡山を3-1で下し、2季ぶり4度目の優勝を飾った。

パリ五輪代表の戸上隼輔(22)はダブルスで敗れたが、シングルスでは貫禄のストレート勝利。2月の世界選手権団体戦は大会直前のインフルエンザで出場がなかったが、復調を印象づけた。

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大のプロレス好きの戸上が絶叫した。

「1、2、3、ダァーッ!」

「燃える闘魂」こと故アントニオ猪木さんの代名詞。金テープが舞う中で大声を張り上げたが、プレーは冷静だった。

シングルスの第4試合。第2ゲーム(G)で5-7とされた場面での相手サーブへの返球だった。それまではコーナーを狙う場面が目立ったが、あえて敵の中央に突っ込んだ。相手はとっさにラケットを出したが、ボールは宙に浮き、台上には返ってこなかった。

「試合の流れを自分なりに分析していた。苦しくても取りきれた」

意表を突いたプレーで、逆転への足掛かりをつくった。

インフルエンザに見舞われた世界選手権団体戦からの復活をアピール。「自分のペースで試合ができた」と胸を張った。

その一方で課題も残った。同じ五輪代表の篠塚大登と組んだダブルスでは、1-2で逆転負け。丹羽孝希、ヤン・アン組に競り負けた。

会見では第一声で「ダブルスで負けてしまって…」と語り始め、「勝負どころでの強みを出し切れなかった。思い切ったプレーができず、後手後手になってしまった」と悔やんだ。

パリ開幕まで約4カ月。

「まだまだ伸びしろはある」

現在25位の世界ランキングを、10位以内までに上げたいという目標もある。冷静に自分を見つめながら、成長曲線を描いてみせる。