パリ五輪競泳男子400メートル個人メドレー代表の松下知之(18=スウィン宇都宮)が28日、熱烈なマニアっぷりを披露した。4月から東洋大に進む栃木・宇都宮南高3年生は、都内で五輪代表の1次合宿に参加中。16年リオデジャネイロ五輪の同種目金メダリストで、同郷である栃木出身の萩野公介氏(29)の話題になると「ぶっちぎり」と“日本一のマニア”を自称した。

少年時代から練習ノートに新聞の写真を貼り、ゴーグルは「同じモデルを基本全部持っている」。憧れの人がレースの朝に熱いシャワーを浴びると知れば、体を真っ赤にして実践した。五輪切符を決めた選考会。すでに指導を受け始めた平井伯昌コーチに「300(メートル)から350(メートル)のラップが重要」と指示され「待ってました!」と切り返した。昔から水泳専門誌を風呂の中でも熟読。同コーチのリオ五輪時の萩野氏への指示と同じで「緊張より『そのレベルに来たのか』と思った」と笑った。

自らを万能型と分析し、約4カ月後の五輪へ伸びしろを追求する。「(本命の)4年後に向けてメダルを取りたい。自分は満遍なく速い萩野さん、しなやかで器用な瀬戸(大也)さんとは全然違うタイプ。違う道で超えていきたいので、あまりプレッシャーはないです」。18歳の若き有望株はわが道をゆく。【松本航】