盟友と誓ったダブル金メダルへ-。レスリングのパリオリンピック(五輪)アジア予選男子グレコローマンスタイル67キロ級で出場枠を勝ち取った曽我部京太郎(22=ALSOK)が23日、開催地のキルギスから帰国。「幸大郎には負けたくないっていう強い気持ちでやってきた。先に幸大郎が決めて、ほんとにうれしい気持ちもあったんですけど、ここで自分が負けるわけにはいかなかった」と振り返った。

2日前の男子フリースタイル65キロ級で同じくパリ行きを決めた清岡幸大郎(23=三恵海運)は、同じ四国出身で幼少期からの仲。スタイルこそ違うが、日体大でも同期となり、切磋琢磨(せっさたくま)してきた。その盟友は、試合後にホテルへ戻った際に自室まで来てくれ、「絶対行ける」と直接エールをくれたという。何よりのカンフル剤になった。

昨年の世界選手権では東京五輪金メダルのゲラエイ(イラン)を7-0と追い詰めながら、観客席からのペットボトル投入の妨害などもあり、結果的に逆転負けした。パリの出場枠も逃し、今大会に雪辱を期していた。「ペットボトルを投げられたから、とかではなく、ゲラエイ選手が一歩上だった。そこからもっと強くなろうと思ってやってこれた」と糧にしてきた。

磨いてきた前に出るスタイル、寝技のローリングでは手応えもあった。今も、清岡とは互いのスタイルでスパーリングし「ボコボコにし、ボコボコにされる」という。ともに挑むパリでは、今予選とは逆に先に曽我部が試合に臨む。「最高ですね。先に勝ってプレッシャーをかけてやります」とニヤリ。首から金メダルをかけて、今度はカンフル剤となる番だ。【阿部健吾】