アメリカンフットボールで京大QBとして日本一となった東海辰弥氏(45)が、ライバルだった日大のコーチングスタッフ入りした。日大・内田監督が25日、明らかにした。日本一奪回で名門復活への強化のために招き、今春からアドバイスを受けていた。本番の秋シーズンを控え、正式にコーチ登録をした。

 東海コーチは高校時代は野球部だったが、大学では1年で先発となり、力強いランと強肩を生かして活躍した。2年連続日本一の栄光を手にし、「怪物」と称された。アサヒビールでも2年連続日本一となり、94年に引退後は社業に専念していた。

 日大は07年に甲子園ボウル出場も、90年を最後に優勝から遠ざかっている。学生王座20度、日本一4度の名門も、低迷から脱出できていない。そこで内田監督が東海コーチ招請を決断した。両校は80年代に甲子園で5度対戦した。内田監督は「同じ時代を戦った相手。ある意味、日大のことをよく知っている。コーチにも忘れていた日大らしさを思い出させてくれている」と効果の一端を話した。

 東海コーチはビールのマーケティング部門に所属している。コーチは忙しい業務の合間となるが「京大の水野監督に鍛え込まれている。QBを鍛えてもらいたいが、技術だけでなく、精神面、戦術面でもアドバイスしてもらう」と内田監督。一時代を築いた怪物助っ人の手腕に期待している。