<高校ラグビー:御所実40-14京都成章>◇準決勝◇5日◇花園

 御所実(奈良)が、伝統のドライビングモールで悲願の日本一に王手をかけた。京都成章(京都)に勝利。前半16分に約30メートル、後半2分に約20メートルもモールで押し込みトライを決めた。怪物WTB竹山晃暉(3年)だけじゃない強さを見せ、2大会ぶり3度目の決勝で初Vに挑む。決勝は明日7日、大阪・花園ラグビー場で行われる。

 御所実伝統のモールが、ゆっくりと、確実にインゴールに迫った。前半16分、中央のモールを約30メートル押し込み、ゴール直前でSH吉川浩貴主将(3年)が左サイドを突いてトライ。後半2分にもラインアウトモールを約20メートル押し込み、トライを決めた。吉川は「狙い通り。自信になった」と声を弾ませた。

 伝統のモールだ。26年目の竹田監督が就任当初から、「日本一速いラックの練習」で隆盛を極めていた天理を破るため、「同じことをしてはダメ」と「日本一遅いボール運びのモール」を徹底強化した。プロップ宮崎は「今回はモールでトライを取れていなかった。やっと練習の成果が出た」と胸を張った。

 7人制ユース日本代表WTB竹山暉が注目されがちだが、この日はFW陣が奮起した。後半27分に約60メートル独走し、大会10トライ目を挙げた竹山暉は「FWのみんなが『竹山だけじゃない』ことを証明し、御所のラグビーをやってくれた」とたたえた。

 東福岡には昨春のサニックスワールドユース予選リーグ、昨夏の7人制決勝で敗れた。吉川は「1年間目標にしたチーム。その相手に御所のラグビーをやり切りたい」。悲願の日本一へ、3度目の挑戦だ。【鈴木絢子】