全国高校ラグビーは1日、3回戦を迎える。黒沢尻工(岩手)は12月31日、宿舎近くの公園で、初戦で甘さの目立ったタックルや、ミスが続出したスクラム、モールの練習を繰り返し、目標の8強入りをかけた大一番に備えた。

前夜は、静岡聖光学院戦でのビデオを見直し各自が反省点を書き出し、やるべきことを再確認した。「ミスをしない。前へ出る守備。接点で負けない」。FW陣が自滅する形で苦戦した初戦の反省を生かし、同じBシードの常翔学園(大阪)にひと泡吹かすつもりだ。

相手は10月のユースオリンピック(五輪)のセブンズ日本代表、NO8石田吉平(3年)を中心に、スピードと意外性のある展開を得意とする優勝候補の一角。伊藤卓監督(44)は「接点のところでちゅうちょなく頭からいけるか。手からいったり腰が引けていたら相当点をとられる」と選手の勇気に期待する。

前回大会の2回戦では、京都成章に0-54と完封負け。就任1年目だった伊藤監督は展開ラグビーのリスクを避け、近距離戦を選んだ。「今でも悔やんでいます」。しかし、今回は違う。昨年のスタメン12人が残ったこともあり、名前負けをすることはない。フランカー北田卓寛(3年)は「去年は恐怖感がありましたが、今年はないです」と優勝候補相手にも臆するところはない。初戦でもBKの展開力には自信を深めており、「FWがボールさえ出してくれれば、BKは何かやってくれそうな気がする。とにかくFWしだいです」と伊藤監督は69回以来29大会ぶりの8強入りに、期待を込めていた。【野上伸悟】